
原題…JARHEAD
監督…サム・メンデス
出演…ジェイク・ギレンホール/ピーター・サースガード/ジェイミー・フォックス
極私的満足度…△
良くも悪くも他と一線を画す
この戦争は、ワタシも非常によく覚えている。つい最近のことだと思っていたけど、すでに10年以上も前のことなんだよね…(遠い目) その当時は「カウチポテト(ソファやカウチに寝そべってポテトチップスを食べる怠惰な生活)で見る戦争」なんて言われていた、リアルタイムで見る初めての戦争…あの湾岸戦争に送り込まれた海兵隊員が主人公なんだけど、今までに数々あるいわゆる戦争映画とは、ちょっと違った切り口の作品ですよ。勿論戦闘シーンもあるし、目を被いたくなるような惨場も映し出されるんだけど、どこか違うんだよね。そして今までのものよりも一層リアルだと思う。イチ兵士の心の内、現場の兵士の心情がものすごくリアルに描かれていました。

前半(開戦前)の、海兵隊の訓練の様子はケラケラと笑ってしまうほど…コレ本当に戦争モンなの?って思うほど平和。パール・ハーバーでもブラックホーク・ダウンでも思ったけど、アメリカの兵士達って本当に陽気。ただ、その陽気さゆえに「こんな無駄なことの為に、市民の血税が使われてるのか」と軽くムカついた。TVでは何やら深刻な状態って報道だったのに。ワシントンの決議が下されるまでの2ヵ月ものルーチンワークのような訓練と、最新鋭の空からの攻撃には勝てないという喪失感が、彼等の精神を砂漠の砂のごとくサラサラと蝕んでしまった。それゆえの血税無駄使いのような乱痴気騒ぎ(クリスマス・終戦後)だったんだろう。
特殊な現場だし、精神的な部分が壊れ易い。けれど最後に必要なのもまた精神力なんだから「心理カウンセラー」の配置とか考えた方がいいんじゃないの?と思いました。(今では配置されてるのかな?) ま、ただ、カウンセラーを置いたところで、その手に残る銃の感触は一生消し去ることは出来ないだろうけど。
暗闇の中を緑色の光を放ちながらミサイルが飛び交う、暗視カメラの映像を今でもよく覚えている。どこか遠い国で起こっている、自分には到底関係のない身近ではない出来事として捉えていた。だけど、現場に送り込まれた自分と同い年ぐらいの兵士達は、こんな、砂埃まみれの劣悪な環境の下で、何が正義か、これは本当に自分がやりたい事なのか?そんな肉体も精神も全部が狂ってしまいそうな思いをしていたのか…と、何だか急に身近に感じてしまった。 うーん、ちょっとエゴイスティックだよね。こんなのって。
ところで…ジェイク、尻見せすぎだよ

途中で出て来たパーマー大統領…いや、デニス・ヘイスバート。Negativeッて言い放つとこが、パーマーっぽかったです(笑)

TB有難うございます。^^
今までにない切り口で描かれていたのが新鮮でした。
主人公が一度も銃を撃たずに終わる戦争。
これが近年の戦争の実態なのかと思うと、より戦争に虚しさを感じます。
コメントありがとうございました。
(そしてレスが遅れて申し訳ありません ;)
本当に今までのものとは、全然違った形のものでした。
それこそ「TVが伝えることの出来なかった真実」っていう
キャッチコピーそのままでしたよね。
だからこそのリアル感だったと思います。