
監督…中村義洋
出演…竹内結子/阿部寛/吉川晃司/池内博之/玉山鉄二/田中直樹/田口浩正/井川遥
極私的満足度… □
映画化スキャンダル
宝島社が主催する「このミステリーがすごい!」大賞の、05年の大賞作品である同名小説が原作。どんな本屋さんでも未だに平積みされているほどの超ベストセラーで、色々な書評欄で取り上げられていたので気にはなっていたんだけれど、よーーーやく文庫判が出たし(貧乏性)映画を見に行く前に読みましょうかねぇ。と、なんの気ナシに読み出したら…や、コレがもー止まらない面白さ

ただねぇ、原作読む前まではてっきり予告編と同じで主人公は女性だと思ってたんですけど、実は男性なんですよね。原作既読者はちょっとキャスティングに違和感覚えてしまうかも

えぇ…グッチー(主人公は田口先生、通称グッチー)オンナなの



とにかくキャスティングがすでに失敗だろう?とハナっから不安。イヤな予感と時間的余裕もなかったので、レイトショーで見てみた。初日だったからか夜中なのに結構な人が入ってた。
予想通り物語序盤から進め方が強引だった、とにかく展開が早すぎる。必要であろうところがガンガン割愛されていく。不安度さらに上昇。手術室のシーンでワタシの臨界点突破


とにかく、文句のつけどころ満点の「なんじゃこりゃ?」な作品でございました。「このミステリーがおもしろい」改め「これはミステリーなのか?」って感じ。これは、恐らく2時間のワクの中に押し込められる作品ではない!ってことだと思うんですよねぇ。小説の中にある緻密に張り巡らされた伏線も、濃いキャラの楽しさも、バチスタ手術の偉業さも…全然再現出来ないまま、なんだか余計に入ったコメディなシーンでお茶を濁した上に、場違いなほど爽やかなエンドロールに入る歌でうやむやにして締め…という荒技。
折角邦画もなかなかヤルじゃん!って風潮も、これじゃすぐに消えちゃうよー。製作に某TV局が絡んでいるようなので、1クールかけて、主人公は男性にして、とにかく原作に忠実な脚本を作って、ドラマにした方がイイんじゃないかな。と思った次第です。
この映画化は、バチスタ・スキャンダル以上のスキャンダルだわ
